- 不動産仲介業者に1ヶ月分の仲介手数料を受けた時の対処法
- 不動産仲介業者に0.5ヶ月分の仲介手数料を交渉する方法
- なぜ仲介手数料を1ヶ月分請求してくるのか
引越しの際に不動産仲介業者に行って内見をし、気に入った物件を申し込む時点で、殆どの場合『仲介手数料』が初期費用に組み込まれます。
その際におそらくほとんどの不動産仲介業者が仲介手数料を家賃1ヶ月(税込1.1ヶ月分)で請求してきます。
ですが、『宅地建物取引業法第46条及び国土交通省の報酬に関する告示』(以下:宅建業法46条)に則れば、
借りる側の私たちが支払うべき仲介手数料は0.5ヶ月分(税込0.55ヶ月分)です。
なぜ0.5ヶ月分多くこちら側が支払わなければいけないのか。今回は仲介手数料1ヶ月分の初期費用を0.5ヶ月に正す交渉術と共にご紹介します。
なぜ不動産仲介業者は仲介手数料を1ヶ月分請求してくるのか
まず、宅建業法46条にはこのように書かれています。
宅地建物取引業法 第46条
第1項 宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買、交換又は貸借の代理又は媒介に関して受けることのできる報酬の額は、国土交通大臣の定めるところによる。
第2項 宅地建物取引業者は、前項の額をこえて報酬を受けてはならない。
第1項の『国土交通大臣の定め』とは、次の「建設省告示第1552号第四」のことです。
第四 貸借の媒介に関する報酬の額
宅地建物取引業者が宅地又は建物の貸借の媒介に関して依頼者の双方から受けることのできる報酬の額(当該媒介に係る消費税等相当額を含む)の合計額は、当該宅地又は建物の借賃の一月分の1.1倍に相当する金額以内とする。この場合において、居住の用に供する建物の賃貸借の媒介に関して依頼者の一方から受けることのできる報酬の額は、当該媒介の依頼を受けるに当たって当該依頼者の承諾を得ている場合を除き、借賃の一月分の0.55倍に相当する金額以内とする。
ぱっと見難しい事が書いていますが、大事なのは
- 宅地建物取引業者が宅地又は建物の貸借の媒介に関して依頼者の双方から受けることのできる報酬の額(当該媒介に係る消費税等相当額を含む)の合計額は、当該宅地又は建物の借賃の一月分の1.1倍に相当する金額以内
- この場合において、居住の用に供する建物の賃貸借の媒介に関して依頼者の一方から受けることのできる報酬の額は、当該媒介の依頼を受けるに当たって当該依頼者の承諾を得ている場合を除き、借賃の一月分の0.55倍に相当する金額以内
カンタンに言えば、こういう事です。
- 仲介業者は賃貸を貸すオーナー側と借りたい私たちから
合計1ヶ月分(+税)の仲介手数料を取れる - そのうち一方から受け取れる仲介手数料は、家賃0.5ヶ月分(+税)
- 私たちの承諾を得ている場合、家賃1ヶ月分(+税)の請求ができる
つまり、借りる側である私たちの“承諾”があれば仲介手数料を1ヶ月分請求できるし、私たちが“承諾しなければ”仲介手数料は0.5ヶ月分、ということです。
なので、なぜ不動産仲介業者は仲介手数料を1ヶ月分請求してくるのかと言えば、『私たちが仲介手数料1ヶ月分の支払いに対して承諾しているから』なのです。
いつの間に仲介手数料1ヶ月分を承諾したの?
筆者
と思う人がほとんどだと思います。かく言う私も同棲物件を探している時、知らないうちに初期費用内に仲介手数料1ヶ月分が組み込まれていました笑。
そのカラクリ(ほとんどの仲介業者の言い分)は、大半の不動産仲介業者が【仲介手数料1ヶ月分を借主である私たちから受領するという前提】のもと賃貸サイトやその他の媒体に掲載しているからです。
ちょっとイジワルっぽく書くようになってしまいますが、「その前提のもと、うちに来て内見して申し込もうとしているんだよね?つまり承諾した上で来てるんだよね?」というようなスタンスです。
という理由から、見積もりなどを出してもらう際にも初期費用に仲介手数料1ヶ月分が平気で組み込まれているわけです。
不動産仲介業者の方々も商売ですから、この宅建業法46条の解釈をうまくかわしてくるわけです。
「仲介手数料ですが承諾を得ないと1ヶ月分請求できないんで、承諾してください!」なんて言ってくる業者は99.9%いないと思いましょう笑。
不動産仲介業者に仲介手数料1ヶ月分を受けた時の対処法|0.5ヶ月にする交渉術
何度も言いますが、宅建業法にのっとれば仲介手数料は原則0.5ヶ月分です。『借りる側の承諾を得ている場合』にのみ、1ヶ月分の請求が可能となっています。
どんなに接客が良い業者さんでも【仲介手数料1ヶ月分を借主である私たちから受領するという前提】のもと、涼しい顔で仲介手数料1ヶ月分を初期費用に組み込んできますからね笑。
もしあなたが引っ越す際に仲介手数料1ヶ月分を請求されたら、そんな時は
「宅建業法にのっとれば仲介手数料は原則0.5ヶ月分ですよね?」
と言ってみましょう。
すると仲介業者は
「原則そうですが、弊社は貸主(オーナー・大家)から0.5ヶ月分の仲介手数料をいただいていないので借主様に1ヶ月分の請求をさせていただいてます」
というパターンか、
「いえ!弊社は1ヶ月分の請求でやらせていただいてます!
(ドヤ顔/ちょっと威圧的→実際に私が経験したパターン笑)
という返事をしてきます。
ここで大事なのは『絶対にコッチが怯まない・同情しないこと』です。
あくまで客は私たちですし、住む場所を決めるという大きな事に加え大きなお金も動きますから、かなり強気にいきましょう。
私たちは悪いこと・クレームを言っているわけではなく、適正価格に戻す作業をしているだけですから。
そして、上記のような返答をもらったら、次は
「宅建業法にのっとれば私たち借主側の承諾がない限り仲介手数料は原則0.5ヶ月分のはずですが、すみません承諾した憶えがないですし承諾していません。いつ承諾したのか具体的に教えていただけますか?」
と答えましょう。
すると仲介業者は以下のような行動を選択しやすいです。(あくまで個人的推測ですが)
- 「確かにそうです」と認め、上長と確認し手数料引き下げの交渉に入る
- 「そうなのですが今回はオーナー側からいただいていないので〜」と同じ返答
- 「弊社は元々1ヶ月でやってます!」と謎の宣言
①であれば交渉の余地がありますが、②③だと話にならないので
「すみません、大家側から手数料貰っていない事はコチラに関係ありませんし、認識違いであれば申し訳ないのですが、私が承諾していないと言っている以上、それは法律に反していませんか?」
と一歩強気で踏み込んでみましょう。
これでもダメなら
「ということは、そもそも御社に内見を頼んだ・店に踏み込んだ時点で“仲介手数料1ヶ月分に承諾した”という解釈で合ってますか?であればもう大丈夫です」
と言って帰りましょう。
こちら側が悪気を感じることはなくて大丈夫。断る自由は仲介業者側にも借りる側にもあります。
先にも述べましたが私たちは悪いこと・クレームを言っているわけではなく、適正価格に戻す作業をしているだけです。
それに仲介業者にも選ぶ権利はあるので、めんどくさそうと思われたら仲介業者側から断ってきますでしょうし。
また、気に入った物件があっても仲介業者所有の物件でなければ別の仲介業者でも申し込みは可能です。実際に私も内見と申し込みは別会社で行いました。
仲介手数料を0.5ヶ月にする交渉術|『急がず』が肝心
もし仲介手数料の引き下げに対応してくれたら、仲介業者は段階的な交渉に入ります。
つまりいきなり0.5ヶ月ではなく、0.8ヶ月分・0.75ヶ月分などと折衷案を提示してきます。
ここでも大事なのは『強気の姿勢』。0.5ヶ月分にならないと同意しないという気持ちを持って交渉しましょう。
もし、交渉の上でも0.5ヶ月分にならなければ、その日は“申し込みをせずに”帰りましょう。
ほとんどの不動産仲介業者は契約をまきたいので「他の方に物件を取られる前に申し込みしちゃいましょう」と急かしてきます。月末でノルマ未達成のスタッフが相手となれば尚更です。
ですが超繁忙期や余程の人気エリアでなければ、早々に他の人に物件が決まることはなかなかありません。(もしあったらそれは運命として受け入れ潔く諦めましょう笑)
なのでとっとと帰っちゃいましょう。
そしてなるべく早く、別の日に『別の仲介業者』に行き、申し込みたい物件の見積もりをもらいましょう。内見は以前行っているので行く必要なし。
そこで重要なのは『宅建業法に則った仲介手数料0.5ヶ月分』の話を提示すること。
つまり、別の仲介業の担当者に
「正直いうと、他の仲介業者で内見もして考えていたが、仲介手数料を0.5ヶ月分にしてくれなかった」
「コチラとしては早く物件を申し込みたい」
「もし担当者さんが0.5ヶ月で問題なければコチラで申し込みたい」
と言いましょう。
別の仲介業者からすればすぐにお客様と契約できるので得ですし、コチラも物件は内見済みであとは初期費用の細かなチェックだけで済みます。
まとめ|大事なのは相見積もりと時間
つまり、賃貸物件を仲介業者で申し込む際は『相見積もり』をとる事が大変重要になってきます。
相見積もりをとって安い方から交渉し、仲介手数料が最終的に0.5ヶ月分で済む業者に申し込めば良いのです。
そうすれば1ヶ月分も取られる事はありません。たかが0.5ヶ月分ですが、されど0.5ヶ月分。数万円節約になるのですから。
そのためにも、内見・交渉における時間は多く持っておいた方が良いです。余裕を持ったスケジュールで物件探し〜交渉をおすすめします。
少しでも参考になれば幸いです。
最近では大手賃貸物件探しアプリ・サイトの他にも、色々な特典を付けてサービスを行っている賃貸物件サイトがあります。
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などの有名企業が参画しており、掲載物件数も非常に多く取り扱っています。
なんとキャッシュバック賃貸経由で問い合わせれば、最大10万円の祝い金対象となります。
もちろん物件次第・規定などはありますが、祝い金対象の物件で契約したらこの時点で既に初期費用10万円を抑える・安くすることが実質可能となります。
初期費用を浮かせたい人は『キャッシュバック賃貸』経由で探してみるのもおすすめします。